第109回薬剤師国家試験 理論物理 問91‐100
5年目薬剤師が第109回薬剤師国家試験を解いてみて、
自分なりの解説ノートをまとめた記事です(๑•̀ㅁ•́ฅ✨
一問一答形式で解いてみてください🍊
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※問題文は厚生労働省より引用しています.
問91
分子間相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 クーロン力は電荷間距離の 2乗に反比例する。
2 分散力は分子間にはたらく反発力である。
3 水中における界面活性剤のミセル形成はイオン結合による。
4 疎水性相互作用は水溶液中のタンパク質の高次構造の形成及び安定化に寄与している。
5 核酸塩基対は配位結合により形成される。
1 クーロン力は電荷間距離の 2乗に反比例する。
4 疎水性相互作用は水溶液中のタンパク質の高次構造の形成及び安定化に寄与している。
問92
状態関数に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 状態関数の変化量は系の変化の経路に依存する。
2 示量性状態関数においては加成性が成立する。
3 示強性状態関数は物質量に依存する。
4 体積は示量性状態関数である。
5 エントロピーは示強性状態関数である。
2 示量性状態関数においては加成性が成立する。
4 体積は示量性状態関数である。
問93
次の記述は、日本薬局方メフェナム酸の純度試験中の類縁物質に関するものである。
本品 0.10 g をクロロホルム/メタノール混液(3:1) 5 mL に溶かし、試料溶液とする。この液 1 mL を正確に量り、クロロホルム/メタノール混液(3:1)を加えて正確に 200 mL とする。この液 10 mL を正確に量り、クロロホルム/メタノール混液(3:1)を加えて正確に 50 mL とし、標準溶液とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフィー(薄層板に蛍光剤を含む)により試験を行う。試料溶液及び標準溶液 25 μL ずつを薄層板にスポットし、展開後風乾した薄層板に紫外線(主波長 254 nm)を照射するとき、試料溶液から得た主スポット以外のスポットは、標準溶液から得たスポットより濃くない。
類縁物質の混入が許容される限度値はどれか。1つ選べ。
1 0.1%
2 0.2%
3 1.0%
4 2.0%
5 2.5%
1 0.1%
問94
ある 2 価の金属イオン M2+ の 0.01 mol/L 水溶液の pH を上げていくと難溶性塩M(OH)2 が沈殿する。この沈殿が生成し始める pH に最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、M(OH)2 の溶解度積 Ksp = 2.0 × 10-20(mol/L)3、水のイオン積 Kw =[H+][OH-]= 1.0 × 10-14(mol/L)2、log 2 = 0.30 とし、ヒドロキソ錯体の生成などの副反応は起こらず、水溶液の温度と体積は変化しないものとする。
1 3
2 5
3 7
4 9
5 11
2 5
問95
図はある蛍光物質の励起スペクトルと蛍光スペクトルである。

この励起スペクトルの極大波長(励起波長)が λ1、蛍光スペクトルの極大波長(蛍光波長)が λ2 であるとすると、この蛍光物質の励起波長の光のエネルギーと蛍光波長の光のエネルギーとの間のエネルギー差を求める式はどれか。1つ選べ。
ただし、プランク定数は h、光速度は c とする。

1
問96
熱容量に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、V は体積、p は圧力、T は絶対温度、H はエンタルピー、R は気体定数、CV は定容熱容量、CV,m は定容モル熱容量、Cp,m は定圧モル熱容量である。
1 モル熱容量は 1 mol の物質の温度を 1 K 上昇させるのに必要な熱である。
2 熱容量の単位は J・K である。
3 CV は、CV
= dH/dT により求められる。
4 理想気体では、CV,m < Cp,m である。
5 理想気体の CV,m は、R/2 である。
1 モル熱容量は 1 mol の物質の温度を 1 K 上昇させるのに必要な熱である。
4 理想気体では、CV,m < Cp,m である。
問97
確認試験と検出される医薬品の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

3
5
問98
日本薬局方ヨードチンキの定量に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
(1) ヨウ素 本品 5 mL を正確に量り、アヨウ化カリウム 0.5 g、水 20 mL 及び
希塩酸 1 mL を加え、0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬:イデンプン試液 2 mL)。
0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム液 1 mL = 12.69 mg I
(2) ヨウ化カリウム 本品 5 mL を正確に量り、ヨウ素瓶に入れ、水 20 mL、塩酸 50 mL 及びクロロホルム 5 mL を加えて室温に冷却し、ウクロロホルム層の赤紫色が消えるまで激しく振り混ぜながら、0.05 mol/L ヨウ素酸カリウム液で滴定する。クロロホルム層の色が消えた後、 5 分間放置して再び着色するときは更に滴定を続ける。
ここに得た 0.05 mol/L ヨウ素酸カリウム液の消費量 a mL と(1)の滴に要した 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム液の消費量エb mL から次の式によってヨウ化カリウム(KI)の量(mg)を求める。
ヨウ化カリウム(KI)の量(mg)= 16.60 × (オ)
1 下線部アの物質を加えるのは、ヨウ素とチオ硫酸ナトリウムの反応を促進させるためである。
2 下線部イの溶液は滴定直前に被滴定液に添加する。
3 下線部ウはヨウ素の色である。
4 本品 5 mL を量り、上記に従い、0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム液(ファクター 1.000)で滴定したとき、下線部エが 23.60 mL とすると、ヨウ素(I)の含量は 6.0 w/v%である。
5 空欄 オ に入れるべき式は(a – b)である。ただし、(2)の反応は次のとおりである。
2I2 + KIO3 + 6HCl → 5ICl + KCl + 3H2O
2KI + KIO3 + 6HCl → 3ICl + 3KCl + 3H2O
3 下線部ウはヨウ素の色である。
5 空欄 オ に入れるべき式は(a – b)である。ただし、(2)の反応は次のとおりである。
問99
光の性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 光が臨界角より小さい入射角で入射すると、すべての光は境界面で全反射する。
2 ある媒質から真空中に入射する光の屈折率を絶対屈折率という。
3 自然光を偏光板に通すと、特定の方向に振動面をもつ楕円偏光を取り出せる。
4 光が物質に当たったときに四方八方へ進行方向が散らばる現象を散乱という。
5 2つの光は位相が一致すると干渉して強め合う。
4 光が物質に当たったときに四方八方へ進行方向が散らばる現象を散乱という。
5 2つの光は位相が一致すると干渉して強め合う。
問100
ガスクロマトグラフィーに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 電子捕獲検出器は、主に C-H 結合を有する有機化合物の検出に用いられる。
2 定量には内標準法が用いられるが、絶対検量線法は用いられない。
3 難揮発性物質の誘導体化の 1つにトリメチルシリル化がある。
4 カラム恒温槽の温度をある温度から一定速度で上昇させると、上昇させない場合と比較して分離時間が長くなる。
5 電子イオン化及び化学イオン化はガスクロマトグラフィー/質量分析法のイオン化法に用いられる。
3 難揮発性物質の誘導体化の 1つにトリメチルシリル化がある。
5 電子イオン化及び化学イオン化はガスクロマトグラフィー/質量分析法のイオン化法に用いられる。
まとめ
第109回薬剤師国家試験の理論物理でした。
良ければほかの年も見てみてください。