令和7年4月より選定療養対象となった薬一覧
令和6年10月から開始された選定療養ですが、薬価の改定や流通状況の変化により令和7年4月に再度対象医薬品が見直されました。
今記事は新たに選定療養対象になった医薬品について記載します。
・令和7年4月から選定療養対象になった医薬品(以下新規選定療養対象薬)の一覧
・新規選定療養対象薬の薬価
・新規選定療養対象薬の追加理由の推測
・新規選定療養対象薬、そのGE薬の販売年月
- 1. 新規選定療養薬一覧
- 2. ロキソニン錠60mg
- 3. トラマールOD錠25mg・50mg
- 4. トレリーフOD錠25mg・50mg
- 5. ロドピン錠25mg
- 6. アンカロン錠100
- 7. ベプリコール錠50mg・100mg
- 8. セララ錠25mg・50mg・100mg
- 9. アトーゼット配合錠LD・HD
- 10. アドシルカ錠20mg
- 11. 小児用ムコソルバンDS1.5%
- 12. ジュリナ錠0.5mg
- 13. タチオン錠100mg
- 14. ノベルジン錠25mg・50mg・顆粒5%
- 15. ピレスパ錠200mg
- 16. エルカルチンFF錠100mg・250mg
- 17. ノルバデックス錠20mg
- 18. エプジコム配合錠
- 19. デュオトラバ配合点眼液
- 20. パルミコート吸入液0.25mg・0.5mg
- 21. レダコート軟膏0.1%・クリーム0.1%
- 22. メサデルム軟膏0.1%・クリーム0.1%
- 23. ニゾラールクリーム2%
- 24. ルリコン軟膏1%・クリーム1%
- 25. まとめ
新規選定療養薬一覧
新規選定療養薬は以下の30成分43品目です。

そもそも選定療養医薬品の対象となるのは
①後発医薬品の上市後5年以上のもの(後発医薬品への置換率が1%未満物は除く)
②後発医薬品の上市後5年を経過していなくても、後発医薬品への置換率が50%に達しているもの
③長期収載品の薬価が、後発医薬品の最も高い薬価を超えていること
との条件があります。
この度追加になった理由について推測もともに1品目ずつ見ていきます。(注射薬を除く)

ロキソニン錠60mg
【般】ロキソプロフェンナトリウム水和物錠60mg

推測理由③長期収載品の薬価が、後発医薬品の最も高い薬価を超えたため
今まで「ツルハラ」だけ先発品より薬価が高かったのですが、今回の改定ですべてのメーカーで先発品以下となりました。
トラマールOD錠25mg・50mg
【般】トラマドール塩酸塩口腔内崩壊錠25mg・50mg

推測理由②後発医薬品の上市後から5年経過していないが、後発医薬品への置換率が50%に達したため
GE発売から3年弱ですが新規選定療養薬となっているため、置換率が50%に達したと考えられます。
トレリーフOD錠25mg・50mg
【般】ゾニサミド口腔内崩壊錠25mg・50mg

推測理由②後発医薬品の上市後から5年経過していないが、後発医薬品への置換率が50%に達したため
GE発売から1年弱ですが新規選定療養薬となっているため、置換率が50%に達したと考えられます。
こちらはもともとの薬価が高いのと販売メーカーが多いためか置換率の到達が早いですね。
ロドピン錠25mg
【般】ゾテピン錠25mg

推測理由③長期収載品の薬価が、後発医薬品の最も高い薬価を超えたため
なお、ロドピンは他剤形はGEと同薬価もしくは安いため対象外となっています。
アンカロン錠100
【般】アミオダロン塩酸塩錠100mg

推測理由③長期収載品の薬価が、後発医薬品の最も高い薬価を超えたため
昨年度までは、先発品とGE薬が同薬価でしたが、今年度の薬価改定で先発品がGE薬より高くなったため追加となりました。
ベプリコール錠50mg・100mg
【般】ベプリジル塩酸塩錠50mg・100mg

推測理由②後発医薬品の上市後から5年経過していないが、後発医薬品への置換率が50%に達したため
GE発売から1年ですが新規選定療養薬となっているため、置換率が50%に達したと考えられます。
セララ錠25mg・50mg・100mg
【般】エプレレノン錠25mg・50mg・100mg

推測理由②後発医薬品の上市後から5年経過していないが、後発医薬品への置換率が50%に達したため
GE発売から2年弱ですが新規選定療養薬となっているため、置換率が50%に達したと考えられます。
アトーゼット配合錠LD・HD
【般】エゼチミブ・アトルバスタチンカルシウム水和物配合錠

推測理由②後発医薬品の上市後から5年経過していないが、後発医薬品への置換率が50%に達した
GE発売から2年弱ですが新規選定療養薬となっているため、置換率が50%に達したと考えられます。
なお、こちらはアトルバスタチン成分量の多いHDのほうがLDより安いという逆転現象が起きています。
アドシルカ錠20mg
【般】タダラフィル錠20mg

推測理由②後発医薬品の上市後から5年経過していないが、後発医薬品への置換率が50%に達した
GE発売から4年弱ですが新規選定療養薬となっているため、置換率が50%に達したと考えられます。
小児用ムコソルバンDS1.5%
【般】アンブロキソール塩酸塩シロップ用1.5%

推測理由③長期収載品の薬価が、後発医薬品の最も高い薬価を超えたため
昨年度までは先発品とGE薬すべて薬価が同じ20.8円でしたが、今年度より先発品の薬価が上がっています。
(一度薬価そろえたなら採用品で先発品のみにしている可能性もあるからこういうのやめてほしい)
ジュリナ錠0.5mg
【般】エストラジオール錠0.5mg

推測理由②後発医薬品の上市後から5年経過していないが、後発医薬品への置換率が50%に達した
GE発売から2年弱ですが新規選定療養薬となっているため、置換率が50%に達したと考えられます。
タチオン錠100mg
【般】グルタチオン錠100mg

販売からしばらくたっているため、昨年度から薬価の変更があったのかと思いましたが、特にGE薬との関係に代わりがありませんでした。ほかのメーカーが販売終了になった通知も見つけられませんでした。
出荷調整でかなり手に入りにくかったこともあり、一昨年度に置換率が1%に達しておらず、昨年度に達したのかもしれません。
この薬に関しては理由が明確にわかりませんでした。
ノベルジン錠25mg・50mg・顆粒5%
【般】酢酸亜鉛錠25mg・50mg・顆粒5%

推測理由②後発医薬品の上市後から5年経過していないが、後発医薬品への置換率が50%に達した
GE発売から錠剤は1年半、顆粒は1年弱ですが新規選定療養薬となっているため、置換率が50%に達したと考えられます。
ピレスパ錠200mg
【般】ピルフェニドン錠200mg

推測理由②後発医薬品の上市後から5年経過していないが、後発医薬品への置換率が50%に達した
GE発売から5年弱ですが新規選定療養薬となっているため、置換率が50%に達したと考えられます。
エルカルチンFF錠100mg・250mg
【般】レボカルニチン錠100mg・250mg

推測理由②後発医薬品の上市後から5年経過していないが、後発医薬品への置換率が50%に達した
GE発売から2年弱ですが新規選定療養薬となっているため、置換率が50%に達したと考えられます。
ノルバデックス錠20mg
【般】タモキシフェンクエン酸塩錠20mg

推測理由③長期収載品の薬価が、後発医薬品の最も高い薬価を超えたため
昨年度までは「MYL」と「明治」の薬価が先発品と同じでしたが、今年度の改訂で全てのメーカーで先発品の薬価より下がりました。
エプジコム配合錠
【般】ラミブジン・アバカビル硫酸塩錠

推測理由①後発医薬品の上市後5年以上経過したため
デュオトラバ配合点眼液
【般】トラボプロスト・チモロールマレイン酸塩液

推測理由①後発医薬品の上市後5年以上経過したため
5年経過で追加ということは今まで置換率がそこまで高くなかったともとれるわけです。値段が結構変わってきますが、点眼剤はやはり見た目やケースが変わることから切り替え懸念されることが多いのでしょうか。
パルミコート吸入液0.25mg・0.5mg
【般】ブデソニド吸入液0.25mg・0.5mg

推測理由①後発医薬品の上市後5年以上経過したため
レダコート軟膏0.1%・クリーム0.1%
【般】トリアムシノロンアセトニドレダコート軟膏0.1%・クリーム0.1%

推測理由③長期収載品の薬価が、後発医薬品の最も高い薬価を超えたため
昨年度は同薬価でしたが、今年度薬価差0.1円により新規追加となりました。
なお、クリームの「TK」、ゲルの「TK」は販売中止が発表されていて、2026年3月に経過措置が切れる予定です。
新規選定療養薬だからといって、GEの新規採用は見送ったほうがよさそうです。薬価も0.1円しか変わらないですし…
メサデルム軟膏0.1%・クリーム0.1%
【般】デキサメタゾンプロピオン酸エステル軟膏0.1%・クリーム0.1%

推測理由③長期収載品の薬価が、後発医薬品の最も高い薬価を超えたため
今まで先発品より薬価の高かった「日医工」の販売終了に伴い追加となりました。
ニゾラールクリーム2%
【般】ケトコナゾールクリーム2%

推測理由③長期収載品の薬価が、後発医薬品の最も高い薬価を超えたため
今まで薬価が高かった「NR」が、先発品を下回ったため追加となりました。
ケトコナゾールは一社販売取りやめにつき、出荷調整で先発品もGEもなかなか厳しいイメージがありましたが、今はどうなんでしょう…
ルリコン軟膏1%・クリーム1%
【般】ルリコナゾール軟膏1%・クリーム1%

推測理由②後発医薬品の上市後から5年経過していないが、後発医薬品への置換率が50%に達したため
GE発売から3年弱ですが新規選定療養薬となっているため、置換率が50%に達したと考えられます。
まとめ
令和7年4月から新たに追加された選定療養医薬品の一覧でした。
薬局勤務の私の体感だと、トラマドールや、セララなどは選定対象になって切り替えた患者さんが結構いました。
最近出た薬から、昔からあるジェネリックもあり、書き出してみるとなかなか良き勉強になりました。
アトーゼットが、成分量少ない方が値段が高くなる逆転現象が起きていたり、
せっかく選定療養対象になったレダコートクリームが、GE販売中止により先発品だけになる予定だったり…
いろいろありますね。
毎年これが起こると思うと、頭を抱えてしまいます…来年も気が向いたら調べてみます。
薬価はヤクチエアプリ、薬価サーチを参考に作成しています。
調べたつもりではありますが、誤り等あればお知らせください。